【心電図】右胸心

心電図基礎講座
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さぁ、今回も新しい講義に入っていきましょう。
そー言えば、夏休みとして、能登半島の先端の珠洲市に行ってきました。
海の透明さがヤバい。
まるでアジアのビーチに行っているような海のきれいさでした。
泊まったホテルのご飯もおいしいし、すごく気分転換できました。
なので、ぜひ、珠洲市に遊びに行ったことがない人は海に泳ぎに行ってみてください。
キャンプ場もあるので、アウトドア好きな人にもおすすめです。

59歳女性 検診で異常を指摘

あなたが外来をしていると近くの工場で働いている社員さんたちが健康診断にやってきました。普通に忙しい外来に健康診断の患者さんがいきなりぶっこまれるって、まぁしょうがないよね。
しゃべりすぎてのどが痛くなってきた。
とほほ、、と思いながら、心電図を見てみると、どうやら変な心電図のようです。

患者さんは59歳の女性で、日本に働きに海外から来ている人の初めての心電図のようです。
どこがおかしいのか見ていきましょう。

よく見るとⅠ誘導でP波が陰性です。その他、T波も陰性になっています。aVRを見てみると、こちらはP波もT波も上向きになっています。これだけ見ると、前回やった四肢誘導のつけ間違いの心電図のように見えます。
「あの~心電図撮り直しお願いします。」って言いかけたけど、よく見ると胸部誘導でS波ばかり目立って変な感じがします。

心電図だけでは判断がつかなかったため、ほかの検査結果も見てみました。
上の絵は胸部レントゲン像です。
「あれ?心臓が逆についている。」
そうです。この人は心臓が逆についている右胸心の患者さんだったのです。

ということで、この心電図は右胸心の患者さんでした。

右胸心の心電図の特徴

右胸心の心電図の特徴は右偏位になります。心臓が逆とすると電気の流れが、左肩から右下に流れるのは想像つきますよね。
aVR誘導が陽性になり、Ⅰ誘導が全く上下逆さにしたような波形になります。ここは前回の左右の誘導を逆にした心電図と同じですね。
違う点は、胸部誘導をみてみると、通常はR波がV1、V2と進んでいくと、だんだんと高くなっていくのですが、それが認められず、S波ばかり目立つようになります。

左右の誘導のつけ間違いの心電図との比較

右胸心の心電図は四肢誘導のつけ間違いの心電図との鑑別が重要になってきます。
まず、四肢誘導から比較してみましょう。どちらも右軸偏位を起こすのは同じですね。
Ⅰ誘導も上下逆なのも同じです。
aVRとaVL誘導が入れ替わっているのも同じですね。
四肢誘導では両者の違いはないことになります。
(この心電図はよく本にある機械が合成して作った心電図ではないので、電位の違いとかの個人差はあります。)

まず左右の誘導のつけ間違いの心電図のほうを見てください。
こちらの胸部誘導は普通ですよね。R波をV1から見ていくとだんだんとV5、6に向かって大きくなっていきます。
一方、右胸心の患者さんでは、R波がほとんど目立たず、だんだんと高くなっていくこともないです。S波ばかり目立ってしまうことになります。

まとめです。
右胸心と左右の誘導のつけ間違いとの心電図での鑑別ですが、四肢誘導はほぼ同じような心電図所見を示します。一方、左右の誘導のつけ間違いの心電図では、胸部誘導は正常ですが、右胸心はS波ばかり目立ちだんだんとQRS電位が小さくなっていきます。
この辺りを覚えておけば大丈夫ですね。

というわけで、今回の講義はどうだったでしょうか?
うーん、もう一度夏休み欲しいなぁ。。。

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