分かる!洞性徐脈の心電図

心電図基礎講座
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みなさん、こんにちは!
今回は洞性徐脈をやっていきましょう。

徐脈は非常に様々な不整脈があって、非常に興味深くやりがいのある領域です。
とりあえず、一つ一つやっていくことにしましょう。
初めは洞性徐脈から。
まず、簡単な内容から徐々に理解して、徐脈を攻略しちゃいましょう。

症例: 66歳男性 入院時の検査

さて、今日もあなたの働く病棟に新たな患者さんが入院しました。入院時の心電図の脈が遅いため、ちょっと見てほしいと病棟の看護師さんから声がかかりました。以下に心電図を提示します。

まずは、上の心電図をよく見てください。確かにRR間隔は広そうですが、そのほかの波形はどうでしょうか?

ぱっと見た感じは特に異常はなさそうですね。
とりあえず、Ⅱ誘導で脈拍数を計算してみましょう。

P波との関係をみるためにⅡ誘導を拡大してみました。P波が規則的であり、その後にQRS波もちゃんとついてきています。RR間隔は一定で、特に不整はなさそうです。
心拍数を前に講義した方法で計算してみましょう。そうすると、50bpmなので徐脈ということになります。

ということで、この心電図は洞性徐脈の心電図でした。

洞性徐脈の心電図の特徴

洞性徐脈の心電図の特徴ですが、一言で言うと「心拍数が60bpm未満である以外に異常がない」ことになります。他の徐脈とことなり、PR間隔が延長したり、QRS波が欠損したりしません。
P波は定期的にみられますが、単純にP波が通常どおりの回数みられず、洞房結節からの信号の頻度が落ちています。
ちなみに簡単に徐脈とわかる方法ですが、RR間隔が大きなマス5マスより広かったら、心拍数は徐脈であるとすぐにいうことが出来ます。

洞性徐脈の原因

洞性徐脈は一般的に治療が必要な徐脈ではありません。このため、睡眠中や普段運動をよくする人などは異常がなくても洞性徐脈になったりします。また、たまにあるのが救急外来で傷の処置で麻酔の注射したりすると失神したりする人がいますが、これも迷走神経が刺激されて洞性徐脈が起こっているものと考えられます。まぁ、なので研修医の皆さんにはベッドで寝かせてから注射してねって指導しています。あとはイメージとして痛みで徐脈になる人って精査はなさそうですが、傷を見て徐脈になる人は男性に多いと思います。女性は普段から血を見慣れているのでつよいのでしょうか?
その他、様々な病気が原因で起こりますが、鑑別はすべて覚える必要はないかなと思います。

洞性徐脈は薬剤でも起こります。有名なのはβブロッカーでしょうか。高齢者に降圧薬などを投与してひどい徐脈になった場合には、上記の薬を投与していないか確認する必要があります。

ということで、今回の洞性徐脈の講義はどうだったでしょうか?
この次の講義も楽しみにしておいてください。

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