こんにちは!
今回はⅠ度房室ブロックの心電図についてやってきましょう。
今まで右房拡大とか右胸心とか、マイナーな心電図ばっかりやってきたので、ここまでやっと来たかと僕は涙目です。
は~もっと、爆速で講義をアップしたいんだけど、普通に仕事やら、ほかにやらなくっちゃいけないこともあるからね。。。
ということで、やっていきましょう。
症例: 74歳 男性 入院時の検査
今日もあなたが働く病棟に新しい患者さんが入院してきました。「入院時の心電図が、また徐脈なんです。」と看護師さんから声がかかったので、心電図をみてみました。
こちらが、入院時の心電図です。まぁ、パッと見てST上昇とかなさそうですし、大きな問題はなさそうです。そもそも、症状がないですからね。
ということで、Ⅱ誘導で心拍数を測ってみましょう。
ちゃんと規則的にP波があり、QRS波も続いています。
心拍数を計算してみましょう。前の講義の方法を用いてみるとだいたいHR40bpmくらいです。
ただこの心電図をよく見てください。P波とQRS波の間隔が離れていそうです。
つまり、PR間隔の延長がありそうです。
さて、ここでPR間隔の延長といっていますが、PR間隔とは、どうやって計測しますか?
上の4つの図を見てえらんでください。
正解は①です。僕は学生時代は③のP波の終わりからかなって間違えて覚えていました。
ということで、この心電図はⅠ度房室ブロックの心電図でした。洞性徐脈も合併しています。
洞性徐脈の講義については前にしているので、そちらもご覧ください。
Ⅰ度房室ブロックの心電図の特徴
Ⅰ度房室ブロックではPR間隔が延長します。5㎜以上(大きなマス1個)以上、PR間隔が広かったら、Ⅰ度房室ブロックと診断されます。PR間隔って何をしめしていたのでしたっけ?房室結節の伝わり方を見ているのでしたね。この部分は前の講義で伝えているので、そちらもご覧ください。
Ⅰ度房室ブロックでは心房からの房室結節に伝わる電気信号が、心房の線維化などにより伝わるのが遅くなります。このため、起こるのですね。Ⅰ度房室ブロックでは90%がこのように房室結節が原因で起こります。その場合には、今回の心電図のようにQRS波が幅が狭くなります。一方、残りの10%はHIS束が障害される場合でも起こり、この場合には、QRS波が幅が広くなります。このタイプのⅠ度房室ブロックはさらに高度な房室ブロックへ移行することがあります。
Ⅰ度房室ブロックの原因
Ⅰ度房室ブロック迷走神経が刺激されたり(痛みや驚きなどにより)、普段よく運動する人や特に普通の人にもみられます。通常は特に治療が必要ありません。
それ以外の原因としては上記のものがありますが、特に覚える必要はないと思います。
ということで、今回の講義はいかがだったでしょうか?
次の講義も楽しみにしておいてください。
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